席が空くとものすごい早い身のこなしで座り、梃子(てこ)でも動かぬと決めたようにぎゅっと固めた上半身を丸めうつむく。たとえ前に老人や妊婦が立っても気づかぬフリをとおせる姿勢で、武道の型の如き気迫を漂わせてもいる。席を確保するためなら彼氏と目線を合わせることも拒絶する亜美の丸まった姿勢を見下ろし、健斗は確信した。とにかく肉体的疲労を嫌がり楽をしたがる彼女はこの先、太ったおばさん体型まっしぐらだ。実のところ健斗はぽっちゃり体型自体はイケる口だが、ぽっちゃりな身体を作ってしまう豚のようなメンタリティーは心底嫌いで、ここのところそれに拍車がかかっていた。 / 参照要約引用: 羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』文藝春秋2015年9月号 p.425 http://amzn.to/1EoCajl

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